Date

2016年10月22日

エゾシカ革のぬいぐるみ

今回の展示ではエゾシカ革でエゾシカのぬいぐるみを作りました

 

革のぬいぐるみは過去にいくつも作ってきましたが、エゾシカを作るのは初めてのヒロコさん
なんども型紙を修正して、らしさを追求

エゾシカ革のぬいぐるみ

ヌバックだったりラセッテーだったり

エゾシカのぬいぐるみ

特注色のブルーグレーだったり

エゾシカのぬいぐるみ

 

もちろんこの子たちも販売しております

一体一体、微妙に表情が異なります

お気に入りの子に出会ってください:)

(定番としてエゾシカ革で作り続けていきたいと思っていますが次回はいつになるやら・・・)

 

今回の展示での、いつもと違うもの作り

もう一つは「病葉(わくらば)」と名付けた革のパネル

病葉パネル

様々な要因でダメージの多いエゾシカ革

そのダメージと向き合っていたら、自然の持つ力強さと、作為のない姿に引き込まれていってしまいました・・・

 

エゾシカ革と関わりだした当初は美しい革を求め、そしてエゾシカ革の魅力を伝えていく方向で私たちは考えていました。

けれども入手できる革は必ずしも美しいものばかりではありません。そのことで失望したり、コスト高に泣いたりしたことも幾度となくあります。
そういった繰り返しの中、ダメージのある革も同じエゾシカ革であり大切な命を頂いた資源だよなぁという点に気持ちが向き出しました。
伊藤若冲の作品の中に金刀比羅宮に残されている「花丸図(百花図)」というものがあります。
動植綵絵」などもそうなのですが、そこに描かれているのは虫が喰った穴があいていたり、染みが出ていたり、枯れかかっていたりする病葉(わくらば)なのです。
ありのままの自然こそ最も美しいという視線。
エゾシカが自然界で生きるため、木にこすりつけてできた傷や、喧嘩の傷、虫刺されなど、個体の生きてきた証しが原皮には多くあります。野生動物で傷のない革なんてありえないわけです。
それに加えエゾシカ原皮が革となるまでの間に存在する多くの問題。それに由来するダメージが現れた革。
それらをマイナスと捉えるのではなく、一頭一頭の持つ、他に二つとない個性として活かしてみたいと思いました。

 

アブストラクト・・・

ダメージレザー

ぬいぐるみもそうですが、これってお店や家に飾りたい!と強く思いました

病葉のパネル

カバンを作る時と同じく、

自分たちが使いたいと思うもの

私たちの大好きなあの人に持ってもらいたいもの

そこを大切にアイデアを形にしています