Date

2015年5月29日

おたる羊皮紙

定休日の木曜日、北ペン倶楽部でご一緒させていただいている北晋商事さんにお誘いいただいておたる羊皮紙さんにお邪魔してきました。

小樽で独学で羊皮紙を製造されていらっしゃいます。

 

小樽で羊皮紙を作られている方がいらっしゃるのは二・三年前から知っていましたが、接点も無くいつかお話をお聞きしたいなぁと漠然と思っていたのです。

そうしましたら先日立ち寄ってくださった北晋商事さんから、今度また見学に行くのだけど一緒にどうですかと誘っていただきました:)

羊皮紙を拝見し作っている作業場を見せていただいてお話を聞かせていただく感じと思いご一緒させていただきました。

 

そうしましたら、なんとほとんどワークショップ状態。

一時間ほどのお邪魔のつもりが三時間超えの楽しい時間を過ごさせていただきました!!

 

一枚の羊皮紙を仕上げるのにはかなりの時間がかかります。

工程の合間合間でに1〜2週間消石灰液に漬け込む時間も何度も必要です。

今回はあらかじめ各工程の適した状態の皮を用意してくださっていて、各工程を体験させてくださいました。(細かな工程はこちらをご参照ください)

こちらでは美深で飼育された羊の原皮を使われています。

 

洗浄した原皮(毛や脂肪や肉も付いています)を二週間ほど消石灰水に漬け込んだものを、特殊な刃物を使って脱毛していきます。

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するするーっと抜けていきます。

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また、その皮を消石灰水に1〜2週間つけておきます。

そうして、今度は肉と油を削ぎ落としていきます。

そういった作業を何度か繰り返していきますがその工程ごとに消石灰水に1〜2週間漬け込みます。

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その間で細かな作業が様々ありました。

そういった作業を経て、今度は乾燥に持っていくために自作した枠に張っていきます。

この張り加減もなかなか難しく、テンションのバランスを逸すると破れたりもしますしコツの要る作業です。

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そうしてピンと張った状態で乾燥させます。

その後また60度くらいのお湯で水やりをして、余計な油分や表皮などを削り落として均していきます。

最終的な乾燥を経て、サンダーでペーパーをかけていきます。

この工程も粗い番手から細かな番手へと数回換えながら最終的には手で丁寧に細かな紙ヤスリをかけていきます。

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美しいオブジェといってもいい羊皮紙です。

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出来上がった羊皮紙を見ていろんなことを考えました。

道産の羊の原皮を手間暇をかけ、羊皮紙に仕上げていく。

手間がかかる分、どうしてもコストには跳ね返りますから決して安価なものではありません。

けれど、美しく丈夫で味わいのある羊皮紙。

カリグラフィーの作品などに使用される機会が多いようですが、様々な使い道を考えてしまいます。

この魅力を多くの人に知ってもらいたいと思い、なにか面白いことに協力出来ないかと思案中・・・・・

 

自分で作りたいちょっとしたアイデアと、他の業種の方へのこんな提案やら頭をよぎっています:)